エリック・ンティリ・メンサの選挙 : 2012 年ガーナ大統領選挙の一側面

2012年12月7日に行われたガーナの国政選挙は、その結果をめぐって多少の緊張が起こったものの、大規模な混乱が起こることなく一応の決着がつきつつある。前回の総選挙に続いてNDC（National Democratic Congress）が極めて僅差で勝利したにも関わらず、また投票の正当性をめぐって異議申し立てがあったにも関わらず、暴力的な混乱が起きなかったことはガーナの複数政党制の安定性の証左と言える。本稿では、このようなガーナの大統領選挙に関する大まかな動向を超えて、人々がどのように選挙を経験するのかを記述していく。この作業を通して、ガーナにおける国政選挙の特徴として、（１）選挙に対する表向きの熱狂の裏で政治に対する閉塞感があること、（２）選挙活動が娯楽として楽しまれていること、（３）国会議員に対して利益誘導が重視されていること、の三点を指摘し、大統領と国会議員、有権者の関係性を考えるための一つの手がかりとして「スカートとブラウス」という現象の重要性を示すことが本論の目的である。

くにたち人類学会

2013-05

日本語(jpn)

journal article（学術雑誌論文）

VoR

18809375

AA12312731

くにたち人類学研究

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Vol. 08 (May. 2013)

https://hdl.handle.net/10086/25719